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「日本のパパが家事育児をしない」根深い理由

【ワンオペ育児】を藤田結子氏が徹底解説2/3

夫婦だけで解決するなんてムリ! 家事も外注する時代へ

シズカ…労働条件がこれだけ厳しいと、たとえ男女で平等に家事分担できたとしても夫婦揃って疲弊する未来しか見えない……。

藤田…でも、必ずしも夫婦だけで家事育児をこなす必要はないんですよ。たとえば、アメリカやイギリスの男性の1日の家事育児の労働時間は2~3時間ほどと、日本人男性よりは多いですが、こちらも女性なみに家事育児をしているわけではありません。ですが、ハウスキーパーを呼ぶなどして、家事をアウトソーシングするのも一般的になっています。

トオル…それってお手伝いさんってこと? なんだか贅沢だな~。

シズカ…お金もかかりそうだし、家庭のことを人様に任せるのはなんとなく気が引けるかも。

藤田…とはいえ、専業主婦が当たり前だった時代は終わりをつげ、実家に頼れない人も増えています。家庭を取り巻く環境が変わっていく中で、母親がこれまで通りバランスのよい食事を作ったり、綺麗に掃除をしたりすることはほぼ不可能だと思いますよ。

トオル…時代に応じて意識も変えていくことが必要なのかな。じゃあ、家事育児はどんどん外注しちゃっていいんですか?

藤田…いいと思います。ただ、日本でも家事代行サービスの会社が増えてはいるものの、3時間利用すると1万円以上するところもザラ。金銭的な障壁もあって、世帯あたりの利用率は2%程度にとどまっています。

シズカ…家計のために働いているのに、そのお金が家事外注費で消えちゃったらなんか釈然としないわね。

藤田…あと、フランスだと家事の外注はアメリカほど普及していませんが、家族手当(第二子以降)や新学期手当などを始めとする、子育て世帯に対する社会保障制度が充実しています。また、夏に4週間、冬に1周間の休暇がありますから、夫婦で子どもと過ごす時間も長くなりますね。

トオル…4週間! うらやましい~。

シズカ…こうしてみると日本はまだまだなのね。ワンオペ育児の解決を夫婦だけに委ねるのには、もう限界があるのかも。
第三回:まだ「お母さんの味」がいいと思ってるの?に続く

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藤田 結子

ふじた ゆいこ

明治大学商学部教授。東京都生まれ。慶應義塾大学文学部卒、米国コロンビア大学大学院で修士号を取得後、英国ロンドン大学大学院で博士号を取得。2016年から現職。専門は社会学。調査現場に長期間、参加して観察やインタビューを行う研究法を用いる。日本や海外の文化、メディア、若者、ジェンダーなどについてフィールド調査をしている。著書に『ワンオペ育児』(毎日新聞出版)など。


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  • 2017.06.21